nyancotan's diary 天体写真 in Hokkaido

スカイウォッチャー DOB GOTO12 ドブソニアン と C14 ★天体写真 & 徒然 ★ ほぼ毎日更新

未明の彗星 10/26 81P 2020V2 2019L3

今朝は三日ぶりに普通の晴れ、午前 5時前から雲が増えてきました。

とう事で二日連続の徹夜明けです。

さて人工の明るい光源が無い場所では、まぁそんな所・・海岸線位かも知れませんが

季節的に「黄道光」と呼ばれる地球軌道上に浮かんでいる塵が見える季節があります。

一つは春、もう一つは秋です。

季節が進んで北半球では秋を迎えています。という事で「黄道光」が見頃です。

その輝きは、地平線から斜めに楕円形を半分に切ったような感じで昇ってきます。

未明の空は普通、地平線まで暗いものですが・・そのため地平線に近づくほど明るいので

もう夜明けが始まったのか?と時間を間違える程です。

その輝きが、本物の夜明け「薄明」の輝きと融け合う様に次第に夜が明けてきます。

正直、どこまでが黄道光で、どこからが薄明の輝きなのか判別は出来ません。

そんな夜明けの輝きの中に春の一等星 アークトゥルスが昇ってきます。

大きな熊とライオンが背を向け合いながら東の空高く昇る季節

夜明けの空は春、季節の秋も終盤を迎えました。

  2020 V2 ZTF 彗星 10月26日03時08分 ISO6400 30秒 15枚核基準合成 MT160+れ

    81P Wild 第2 彗星 同日03時49分 ISO6400 30秒 16枚核基準合成 機材同上

    2019 L3 ATLAS 彗星 同日04時07分 ISO6400 30秒 17枚核基準合成 機材同上

V2 は、おおぐま座の北斗七星のそばにあるので夜が明ける頃は、北東の空、高い所にあります。なので時間に余裕をもって撮影することが出来ます。が・・残り二つは、夜明けとの競争。。ちんたらしていると空が明るくなって彗星を捉えきれずに終了です。何故か?というと・・望遠鏡を載せている赤道儀が超古く、今時流行りの「自動導入機能」が無いため。。なので彗星のそばにある明るい星を頼りに天球上の位置を比較して、東へ○○分、南へ ○.○度的に赤道儀の目盛と星図を頼りに彗星を導入します。簡単そうにみえますが、夜明けが近づくと、そもそも頼りの星をみつけるファインダーと呼ばれる小さな望遠鏡のレンズに霜がついて、おっ?見えんぞ!的な展開に・・。ドライヤーとティッシュで霜を取り除き、再スタート!目盛を信じて導入、主望遠鏡に取り付けたカメラでパチリ!あっさり写れば、儲けもの。。大概は写りません。。なので数回トライ!小さな彗星をフレームの中に見つけます。が・・・写れば良い、と云うものでもなく出来ればフレームの中心付近に入れたい。と欲が出ます。南北の移動と東西の移動をさせつつ「良し」と許せる場所にきたら撮影開始。。そんな事を繰り返し写します。当然、夜が明けてゆきます。と寒い中、変な汗をかきつつ写した彗星が、3時台後半と 4時台初めの二つになります。ちなみに V2 は、左下に短く尾が伸びています。81P は Atel # 15694 で 10月に二度アウトバーストを起こして明るくなった。と報じられていました。そのせいなのか尾が綺麗にのびています。最後の L3 は、南東の空低く・・こちらも短い尾がみえています。どうにか手動導入でも写せるのは楽しいものです。

  2020 V2 ZTF MT160+れ(776mm) オリジナル領域 彗星は、中央の小さな丸いもの

      81P Wild 機材同上 彗星は、中央左下 70度方向に尾がみえます。

     2019 L3 ATLAS 彗星は中央少し下、わずかに右上に尾がみえています。

ちなみに上の三枚は、オリジナルからピクセル等倍でトリミングしたものです。

夕景 10月26日16時27分 あと二か月ほどで冬至、日の入りが随分と早くなりました。